芋焼酎「天使の誘惑」の定価は?価格相場を解説

  • 2025年11月7日
  • 2025年11月7日
  • お酒

こんにちは。定価の真実、運営者の「くろっぺ」です。

プレミアムな焼酎として名高い「天使の誘惑」。いざ手に入れようと探してみると、お店やネットで価格が全然違っていて、「結局、焼酎『天使の誘惑』の定価はいくらなの?」と混乱していませんか?

Amazonや楽天を覗いてみれば720mlのボトルが驚くようなプレミア価格で売られていますし、かと思えば「相場はこのくらい」という情報もあったり…。そもそも、どこで買えるのか、製造元である西酒造はどういう価格設定をしているのか、本当に気になりますよね。

私自身、この価格のカラクリがとても気になっていました。この記事では、そんな「天使の誘惑」の定価の謎と、現在の価格相場、そしてなぜこれほどまでに価格が高騰しているのか、その理由について私なりにじっくり調べたことをまとめてみました。購入を検討している方の「?」を解消できれば嬉しいです。

記事のポイント

  1. 「天使の誘惑」に全国一律の定価が存在するかどうか
  2. 現在の正規店での実勢価格(本当の相場)
  3. 1万円を超えるプレミア価格が付いている理由
  4. 正規価格で入手するための具体的なヒント

焼酎「天使の誘惑」の定価は?価格の謎を解明

まず、皆さんが一番気になっている「定価」の謎から迫っていきましょう。この焼酎、どうしてこんなに価格情報が分かりにくいんでしょうか。他の商品なら「メーカー希望小売価格」がすぐ分かるのに…。調べてみると、このお酒ならではの、はっきりとした理由が見えてきました。

基準となる値段や価格の相場

まず結論から言いますと、「天使の誘惑」には、私たちがイメージするような全国一律の「メーカー希望小売価格(定価)」が、公表されていないようです。

これは、いわゆる「オープン価格」という制度を採用しているためだと考えられます。オープン価格とは、メーカー側が希望小売価格を設定せず、最終的な販売価格を小売店(この場合はお酒屋さん)の判断に委ねる方式のことですね。

「天使の誘惑」のように、生産量が限られている希少な商品や、市場の需要によって価格が変動しやすい商品でよく見られる仕組みです。製造元である西酒造さんから、「特約店」と呼ばれる正規の販売店に卸され、そこから私たち消費者に販売されます。

ですから、私たちが探すべきなのは「全国共通の定価」ではなく、「信頼できる正規販売店での実勢価格(販売相場)」ということになります。これが、このお酒の「基準価格」と考えるのが良さそうです。

720mlボトルの実勢価格

酒屋の店頭に並べられた「天使の誘惑」のボトル。手書きの「実勢価格」が記されたプライスカードが添えられている。

では、その気になる「実勢価格」は、一体いくらぐらいなのでしょうか。

私が調べた限り、正規特約店やそれに準ずる専門酒販店のオンラインショップなど(一次流通)における実勢価格(相場)は、720mlボトルで税込 4,180円 〜 4,746円 の範囲に集中しているようです。

この価格帯が、現在の「基準価格」と見て間違いなさそうですね。

ただ、この価格もずっと固定というわけではなく、じわじわと上昇傾向にあるみたいです。例えば、2021年頃の情報では税込3,404円だったという記録も見つかりました。近年の世界的な原材料費の高騰や物流コストの上昇、そして何より後述する世界的な評価の高まりが、価格を押し上げていると考えられます。

高額な価格設定に注意!

オンラインショップなどで見かける13,200円といった価格は、この正規相場(4,000円台)とは全く異なる「プレミア価格(あるいは転売価格)」である可能性が非常に高いです。

「定価が13,200円なんだ」と勘違いしないよう、購入する際は、今見ている価格がどのカテゴリーに属するのかを意識することがとても大切ですね。

※価格情報はあくまで調査時点での目安です。時期や販売店によって変動する可能性がありますので、参考としてご覧ください。

現在の価格体系(目安)

今の複雑な価格状況を、販売チャネル別に整理してみました。

販売チャネル価格帯(税込)備考・分析
正規小売店(実勢価格)約 4,180円 〜 4,746円私たちが基準とすべき正規相場。
プレミアム価格(一部EC)約 13,200円 など希少価値を反映した価格。正規相場ではない。
飲食店(ボトル提供)約 8,800円 など仕入れ値+サービス料が含まれた価格。
二次流通(メルカリ等)約 4,000円 〜 6,000円台需給で変動。状態や時期に注意が必要。

※あくまで一例であり、価格を保証するものではありません。

プレミア価格が付く理由とは

では、なぜ正規相場の数倍にもなる「プレミア価格」が平気で付いてしまうのでしょうか。それは、このお酒が持つ「特別な価値」が、市場に熱狂的に認められているからに他なりません。

その最大の要因は、世界的な酒類の品評会「TWSC2025(東京ウイスキー&スピリッツ コンペティション2025)」で、焼酎部門の最高賞である「BEST OF THE BEST」を受賞したことだと思います。

これは、数多ある焼酎の中で「世界で最も優れた焼酎」として公式に認められた、という前人未到の快挙だそうです。ただの金賞ではなく、その中のトップ・オブ・トップ、ということですからね。そのインパクトは計り知れません。

この受賞で国内外のスピリッツ愛好家やコレクターから一気に需要が爆発したわけですが、一方で「天使の誘惑」は、非常に手間と時間がかかる製造法をとっています。

  • 10年間の長期熟成:厳選された原酒を、シェリー樽でなんと10年間も熟成させます。
  • 供給が絶対に追いつかない:10年かかるということは、今すぐ需要が増えたからといって、来月増産する…なんてことは物理的に不可能です。もともと「限定商品」として供給量が限られています。

つまり、「急激な需要の増加」に対して「供給が全く追いつかない」という、極端なアンバランスが発生しています。これが、正規店での即時完売と、二次流通市場や一部ECサイトでの価格高騰を生み出している最大の理由なんですね。

製造元「西酒造」のこだわり

趣のある熟成蔵の中で、西酒造の職人が樽を前に焼酎のボトルを丁寧に扱っている。木樽と窓から差し込む光が神聖な雰囲気を醸し出している。
定価の真実・イメージ

この唯一無二の焼酎を生み出したのは、「富乃宝山(とみのほうざん)」や「吉兆宝山(きっちょうほうざん)」といった、芋焼酎好きなら誰もが知る超有名ブランドを手掛ける、鹿児島の老舗蔵元「西酒造」さんです。

(出典:西酒造株式会社 公式サイト「天使の誘惑」商品ページ

「天使の誘惑」は、西酒造さんの「芋焼酎は長期熟成に向かない」という当時の業界の常識を覆すため、何年にもわたる試行錯誤の末に生まれた逸品だそうです。まさに執念の結晶ですね。

ちなみに名前の由来もとても素敵で、ウイスキーの世界では、熟成中に樽からアルコールや水分が蒸発してお酒が減ってしまうことを「天使の分け前(Angel’s Share)」と呼ぶんです。それを「天使にお裾分けしている」というロマンチックな発想から、「天使の誘惑」と名付けられたそうですよ。ネーミング自体が、ウイスキーと同じ熟成プロセスを経ていることを示唆しています。

芋焼酎を超えたその味と評価

木製のテーブルに置かれた「天使の誘惑」と見られる琥珀色の液体が注がれるショットグラスと、氷入りグラス。奥には樽が映る。

「天使の誘惑」の価格を正当化するもう一つの要因は、その「味わい」にあります。

実際に飲んだ方のレビューを見ると、「もはや芋焼酎ではない」「ブランデーのようだ」「ウィスキー以上 ブランデー未満」といった評価がとても多いんです。中には「芋焼酎らしさはほとんど感じない」という声も。

これは欠点ではなく、従来の芋焼酎の枠を完全に超越した「新しいスピリッツ」としての完成形であることを示しているんだと思います。

10年のシェリー樽熟成によって、外観はウイスキーやブランデーを思わせる美しい琥珀色。香りもシェリー樽由来の甘く香ばしいアロマが支配的で、白桃、ナッツ、バニラといった複雑なニュアンスが感じられるそうです。味わいは「とろりとした甘みと旨み」が特徴的だとか。

そして何より、アルコール度数が一般的な芋焼酎(25%)とは全く違う40%に設定されています。これは日本の酒税法上、焼酎の上限(45%以下)に近い高い度数です。この高いアルコール度数が、芳醇な風味を力強く支えているんですね。

これはもう、ウイスキーやブランデーといった世界のプレミアムスピリッツと同じ土俵で勝負するぞ、という西酒造さんの明確な戦略と自信の表れだと感じます。

芋焼酎特有のクセはほとんど感じられない、という声が多いので、「芋の香りがちょっと苦手…」という方にも、ぜひ一度試してみてほしいスピリッツだなと思います。芋焼酎の概念が変わるかもしれませんね。

焼酎「天使の誘惑」定価以外の情報と入手方法

さて、価格の仕組みやその価値が分かったところで、次に「じゃあ、一体どうやって手に入れるの?」という、最も実践的な疑問にお答えしていきます。これだけの逸品ですから、正直に言って…入手難易度はかなり高めです。でも、いくつか方法はありますよ。

どこで買える?正規販売店一覧

まず、王道であり、正規相場(約4,000円台)で手に入れる可能性が最も高いルートは、西酒造さんと契約している「正規特約店」での購入です。

これは、全国にある専門性の高い「街の酒屋さん」であることが多いですね。ただ、西酒造さんの公式サイトを見ても、特約店の一覧(リスト)は公開されていないようです。そのため、お近くの酒屋さんで「富乃宝山」や「吉兆宝山」といった西酒造さんの主要商品を取り扱っているかどうかが、一つの目安になるかもしれません。

ただし、そうした店舗でも、「天使の誘惑」は「限定商品」「季節品」として扱われているため、常時在庫があるわけではありません。入荷情報がメルマガやSNSで公開されると、即座に完売する可能性が非常に高いです。

狙い目の時期は?

ある販売店さんの情報によれば、12月~2月 と 6月~8月 の年2回のみ発売される限定酒、とされていました。(※諸説あり)

この情報が確実とは言えませんが、年末年始の贈答シーズンや夏場に、入荷のチャンスがあるかもしれません。この時期に合わせて、目星をつけた専門酒販店の入荷情報をこまめにチェックするのが、正規価格で購入する一番の近道かなと思います。

Amazonや楽天での取り扱い

「近所に特約店があるか分からない…」「入荷情報を追いかけるのは大変…」という場合、やはり便利なのがAmazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングといった大手オンラインモールです。

これらのサイトでは、多くの事業者が「天使の誘惑」を取り扱っています。検索すればすぐに見つかる手軽さは、何物にも代えがたい魅力ですよね。

ただし、ここまで何度もお伝えしている通り、ここで販売されているものの多くは、正規相場ではなく「プレミア価格」が設定されています。これは、正規店での入手困難さを反映した市場価格であり、「時間と希少性をお金で買う」という選択肢になります。

中には正規価格に近いものが出品される可能性もゼロではありませんが、基本的には「プレミア価格」であることを理解した上で、その金額を払う価値があるか(例えば、大切な人への特別な贈り物など)を判断して購入するのが良いかなと思います。

Amazonで商品を見る

楽天で商品を見る

おすすめの飲み方(ロック・ソーダ)

木製のテーブルに、「天使の誘惑」のボトルとデキャンタ、ロックグラス、ソーダ割りグラスが美しく並べられている。横にはおつまみが添えられている。

もし幸運にも「天使の誘惑」を手に入れられたら、その特別な味わいを最大限に楽しみたいですよね。アルコール度数40%という特性を活かした、洋酒に近い飲み方がおすすめです。

ロック

最もおすすめされることが多い飲み方です。氷がゆっくりと溶けることで、時間の経過とともに変わる香りと味わいのグラデーションを楽しめます。高いアルコール度数とシェリー樽由来の豊かな香りを、ストレートに感じるには最適ですね。

ソーダ割り

飲食店でも推奨されているスタイルです。とろりとした甘みと香ばしい香りが、ソーダの泡によって華やかに広がります。40%の度数があるので、ソーダで割っても味わいが薄まらず、しっかりとした飲みごたえと爽快感を両立できます。

パーシャルショット

アルコール度数が高いお酒ならではの、通な楽しみ方です。ボトルごと冷凍庫で冷やすと、水分が凍ることはなく、お酒自体が「とろり」とした液体に変化します。それを小さなグラスでストレートで味わう…。「天使の誘惑」の持つ甘みと旨みを、凝縮して体感できる飲み方だそうです。

一般的な芋焼酎のようにお湯割りで楽しむ、というよりは、まさにウイスキーやブランデーのように、その香りや熟成感をじっくりと味わうお酒だなと感じます。

資産価値と買取価格の動向

これだけ入手困難で世界的な評価も受けていると、「天使の誘惑」は単なる「飲むお酒」としてだけでなく、「資産」としての側面も持ち始めています。

実際に、お酒専門の「買取価格」を提示しているサービスが存在することや、メルカリやヤフオクといった二次流通(個人間取引)の市場で活発に取引されている事実が、本製品が「コレクティブル・アイテム(収集品)」として扱われていることを示しています。

二次流通の価格データに関する注意点

ヤフオクの過去の平均落札相場(約2,500円〜3,000円台)といった古いデータを見かけることがありますが、これを現在の相場と捉えるのは危険です。

その理由として、

  1. TWSC受賞による価格高騰が起こる前の、安価な取引データが平均に含まれている。
  2. 化粧箱がない、ラベルに傷があるなど、コンディションが万全ではない中古品が平均価格を引き下げている。
  3. 同名の全く別商品(黛ジュンさんのレコードなど)のデータノイズが混入している。

などが推察されます。現在のリアルタイムな市場価値を正確に反映していない可能性が極めて高いため、購入の参考にする際は注意が必要ですね。

むしろ、メルカリにおける現在の出品価格帯(4,000円〜5,000円台、あるいはそれ以上)の方が、今の需要を反映しているかもしれません。

※フリマサイトやオークションでの購入は、商品の保管状態(高温の場所に置かれていなかったか等)が不明確なリスクもあります。最終的な判断はご自身の責任においてお願いします。

天使の誘惑 焼酎の定価と価値まとめ

最後に、焼酎「天使の誘惑」の定価と価格について、ここまでの情報を総括します。結局、「定価はいくら?」という疑問に対する答えは、以下のようになります。

「天使の誘惑」価格の結論

  • 全国一律の「定価」は存在せず、「オープン価格」である可能性が極めて高いです。
  • 私たちが購入の基準とすべき「正規実勢価格」の相場は、税込 4,180円 〜 4,746円あたり。これが実質的な「定価」と言えます。
  • ネットで見かける1万円超の価格は、正規価格ではなく、希少価値が反映された「プレミア価格」です。
  • 価格高騰の理由は「10年熟成」という絶対的な希少性と、「世界最高賞受賞」による爆発的な需要増が重なったためです。

「天使の誘惑」は、もはや芋焼酎というカテゴリーを超えた、世界に誇る日本のプレミアムスピリッツなんだなと、調べてみて改めて感じました。

正規価格で手に入れるのは少し大変そうですが、その価値は十分にある逸品だと思います。この記事が、あなたの「定価の謎」を解明し、賢いお買い物をするための手助けになれば幸いです。


参考