シェーヌダンクル ゴールドの定価は?非公開の理由と実勢価格

暗い背景にスポットライトで照らされ、重厚な輝きを放つK18イエローゴールドのシェーヌダンクル・ブレスレット。

こんにちは。定価の真実・賢い買い物術、運営者の「くろっぺ」です。

エルメスの象徴とも言えるシェーヌダンクル。その中でも、K18イエローゴールド(YG)やピンクゴールド(PG)モデルの定価が知りたくて検索している方、多いんじゃないかなと思います。

でも、いざ調べても公式サイトには価格が載っていなくて、「結局いくらなの?」と困ってしまいますよね。2025年最新の価格改定があったという情報は目にするものの、シルバーモデルの価格ばかり。肝心のゴールドブレスレットの定価推移や、MM、GMといったサイズ別の価格、さらにはリングやピアスの定価がどうなっているのか、はっきりしません。

この記事では、なぜシェーヌダンクルのゴールドモデルの定価が「非公開」なのか、その理由と、比較対象としてのシルバーモデルの最新価格、そして最も気になる「現実的な市場価格」や資産価値について、私が調べた情報を分かりやすくまとめてみました。

記事のポイント

  1. シェーヌダンクル ゴールドの定価が非公開である理由
  2. 2025年最新のシルバーモデル(MM・GM)の定価
  3. ゴールドモデルの現実的な市場価格(二次流通)
  4. 価格高騰の背景と資産価値についての考察

シェーヌダンクル ゴールドの定価は非公開?

まず結論から言うと、多くの方が探しているであろうK18ゴールド製のシェーヌダンクル「ブレスレット」の公式定価は、一般公開されていません。

「え、なんで?」と思いますよね。シルバーモデルや他のジュエリーは価格が出ているものもあるのに、不思議です。これにはちゃんとした理由があるようです。

ここでは、そのミステリアスな背景と、比較対象として定価が公開されているシルバーモデル、そして一部のゴールド製品(リングなど)の価格について、もう少し詳しく掘り下げてみますね。

なぜ定価が非公開なのか?

この「定価非公開」の最大の理由は、シェーヌダンクルのゴールドモデル(特にブレスレット)が、私たちが普段目にするアクセサリーとは一線を画す「ファインジュエリー(Haute Joaillerie)」という特別なカテゴリに属しているからだと思われます。

ファインジュエリーというのは、いわゆる「高級宝飾品」のこと。これがなぜ定価非公開につながるかというと、いくつかの要因が絡んできます。

1. 素材価格(金)の日常的な変動

ご存知の通り、主な素材である「金(ゴールド)」は、株式市場などと同じように、日々世界中で価格が変動しています。固定の定価を設定してしまうと、金価格が急騰した場合にブランド側が大きなリスクを負うことになりますし、逆に急落した場合は(あまりないですが)消費者が損をした気分になるかもしれません。

2. 為替レートの影響

エルメスはフランスのブランドです。製品はフランスやヨーロッパで作られ、日本に輸入されます。そのため、日本円とユーロの為替レートが価格にダイレクトに影響します。円安が進めば、同じ製品でも日本円での仕入れ値は上がってしまいます。

3. 極めて高い希少性と製造工程

宝飾品職人(日本人)が、作業台の上で精密な工具を使い、ゴールドのチェーンリンクを丁寧に手作業で仕上げている様子。

これが一番大きい理由かもしれませんが、エルメスの製品、特にファインジュエリーは、一人の職人が最初から最後まで手作業で仕上げるケースが多いと言われています。シェーヌダンクルのあの滑らかなコマの繋がりも、熟練の技術の賜物。そのため、製造できる数が極端に限られています。需要に対して供給が全く追いつかないんですね。

ポイントは「時価」扱い

これらの要因(素材価格、為替、希少性)が複雑に絡み合うため、あらかじめ固定された「定価」をカタログに載せておくのが非常に難しいのだと思います。

そのため、エルメスの希少なバッグ(バーキンやケリーなど)の一部と同じように、「Price on Request (POR)」、つまり「価格は問い合わせ」という扱いになっている可能性が非常に高いです。実質的には「時価」に近いものだと考えるのが、一番自然な答えかなと思います。

2025年最新の価格改定情報

エルメスはほぼ毎年、価格改定(値上げ)を行っており、記憶に新しいところでは2025年2月1日にも価格改定が実施されました。

この時の改定情報を見ると、シルバー(Ag925)製品のブレスレット(MMやGMなど)やリングについては、「旧価格○○円 → 新価格○○円」といった具体的な新旧の価格がリストアップされています。

しかし、やはりK18ゴールドのブレスレットやネックレスに関する情報は、そのリストには含まれていませんでした。この事実からも、ゴールドモデルがシルバーモデルとは全く異なる価格体系(=定価非公開)で管理されている、いわば「別格」の扱いであることがよく分かりますね。

シルバーモデルの最新定価一覧

ライトグレーのシンプルな背景に置かれた、シルバー925のシェーヌダンクル・ブレスレット(GMサイズ)。クールな金属の質感がわかる画像。

では、ゴールドモデルの価格感を掴むための「基準」として、2025年2月に改定されたシルバーモデルの最新定価を見てみましょう。

この「デザインとブランドの基本価値」がいくらなのかを知ることが、ゴールドの価格を推測する上で非常に重要です。

2025年2月改定 シルバーブレスレット最新定価

サイズ(呼称)改定後定価(2025年2月1日~)(参考)改定前定価
シェーヌ・ダンクル MM261,800円(税込)247,500円
シェーヌ・ダンクル GM281,600円(税込)266,200円
シェーヌ・ダンクル TGM302,500円(税込)286,000円

※上記は2025年2月1日時点での情報です。最新の価格は必ず公式サイトやブティックでご確認ください。

シルバー(Ag925)の素材としての価格は、例えばGMサイズ(約67g)でも数千円程度かなと思います。それなのに価格が約28万円もするということは、その差額(27万円以上)が、エルメスの職人技術、デザインの普遍的価値、ブランドの威信、そして意図的な希少性に対して支払われる対価だと言えますね。

この「デザインとブランドの基本価値」が約27万円あると仮定して、初めてゴールドモデルの価格の凄まじさが理解できるわけです。

MMサイズとGMサイズの定価比較

シルバーモデルで、特に人気の高いMM(エムエム)とGM(ジーエム)の価格差をもう少し詳しく見てみましょう。

  • MM (1コマ約1.7cm): 261,800円
  • GM (1コマ約2.1cm): 281,600円

その差は19,800円です。コマが大きくなる(=使用するシルバーの量が増える)と、その分価格も上昇することが分かります。

一般的にMMは男女ともに人気があり、特に女性や手首が細めの男性に選ばれやすいサイズ感です。対してGMは、男性に最も人気があり、しっかりとした存在感を求める方に適しています。この関係性は、ゴールドモデルを選ぶ上でも重要な参考になりますね。

リングやピアスのゴールド定価

ここが興味深いポイントなんですが、ブレスレットは非公開なのに、同じシェーヌダンクル・コレクションでも、リングやピアス、またはダイヤモンドを使用した一部の特殊なブレスレットについては、K18ゴールドモデルでも定価が確認できるものがあります。

なぜでしょうか?

私の推測ですが、リングやピアスはブレスレットに比べて使用する金の量が少なく、また製造工程も(ブレスレットのコマを多数繋げるよりは)安定しているため、素材価格や為替の変動リスクを吸収しやすく、固定定価を設定できるのではないかなと思います。

ゴールド・ダイヤ製品の定価(確認済データ)

カテゴリモデル名素材定価(税込・参考)
リング《シェーヌ・ダンクル・アンシェネ》PMK18 ゴールド432,300円
リング《シェーヌ・ダンクル》MMK18 ゴールド1,353,000円
リング《シェーヌ・ダンクル・カオス》GMK18 ゴールド1,287,000円
ブレスレット (ダイヤ)《シェーヌダンクル コントゥール》K18PG / ダイヤ705,100円 (参考)
ピアス《エシャペ》 PMK18 ゴールド613,800円

※これらの価格も2025年の価格改定を経たものや、過去の時点での情報が混在している可能性があります。あくまで「ゴールド製品の価格水準」を知るための目安としてご覧ください。

それにしても、リングですら数十万円から百万円を超える価格帯です。ブレスレットはこれらよりも遥かに多くの金を使用することを考えると、その価格が一体いくらになるのか…想像が膨らみますね。

シェーヌダンクル ゴールドの実質定価(市場価格)

さて、ここからが本題です。公式の定価が「非公開」である以上、私たちが本当に知りたい「シェーヌダンクル ゴールドの定価」とは、「今、実際に手に入れるためにはいくら必要なのか?」という現実的な価格、つまり二次流通市場での実勢価格(プレミア価格)のことではないでしょうか。

正規店で「ゴールドのシェーヌダンクルありますか?」と聞いても、まず出会えることはないと言われています。そのため、現実的な入手経路は二次流通市場(買取専門店やブランドリユース店)に限られてきます。

二次市場での未使用品価格

少し開いた高級な(無地の)オレンジ色のジュエリーボックスの中から、K18ピンクゴールドのシェーヌダンクル・ブレスレットが輝きを放っている様子。

正規店での入手が極めて困難なため、シェーヌダンクルのゴールドモデルは、二次流通市場で「未使用品」や「新品」として取引されています。これらの多くは、正規店で購入できた人が一度も使わずに売却したものです。

驚くべきことに、その価格はシルバーモデルの比ではありません。

【実勢価格の一例(未使用品)】

  • シェーヌダンクル MM (K18 YG) 15コマ: 約 5,698,000円
  • シェーヌダンクル TPM (K18 YG) 24コマ: 約 2,580,000円
  • シェーヌダンクル TPM (K18 PG) 24コマ: 約 2,650,000円

※これらの価格は、調査時点での一例であり、時期、状態、コマ数、為替によって大きく変動します。あくまで目安として参考にしてください。

シルバーのGM(定価約28万円)と比較すると、ゴールドのMM(未使用品)は約20.2倍もの価格差があります。

これは単なる金と銀の素材価格の差(約100倍程度とも言われますが、製品の体積比で見ると異なります)や、シルバーに上乗せされた「デザイン価値(約27万円)」を遥かに超えたものです。

この価格差こそが、K18ゴールドモデルの「極端な希少性プレミアム」が上乗せされた結果なんですね。

もはや「定価」という概念は実質的に意味をなさず、この二次市場でのプレミア価格こそが「今すぐ手に入れるための実質的な価格(デファクト・スタンダード)」となっているのが現状です。

中古モデルの価格相場

未使用品でなくても、中古品(USED)として市場に出回っているものもあります。しかし、価格が大きく下がるかというと、そうでもないのが現状です。

例えば、TPMサイズ(最も小さいコマ)のK18ゴールド製ネックレス(中古)が約545万円で取引されている例もありました。ブレスレットよりもコマ数が多いネックレスは、当然ながら使用する金の量も増えるため、さらに高額になります。

状態が「中古」であっても、これだけの高値が付くこと自体が、このアイテムの異常なまでの需要の高さと、価値が下がりにくい「資産性」を物語っています。

高騰する理由と資産価値

整然と積み上げられた、輝く複数のゴールドインゴット(金の延べ棒)。資産価値と富を象徴する画像。

なぜここまで価格が高騰し、中古品ですら高値で取引されるのでしょうか。その背景には、私たちが理解しておくべき、大きく分けて3つの要因があると考えられます。

これらが複合的に絡み合っているからこそ、シェーヌダンクル ゴールドは単なるアクセサリーを超えた存在になっているんですね。

1. 原材料(貴金属)の価格上昇

ベースとなる金(ゴールド)自体の世界的な市場価格が、近年上昇傾向にあることはご存知の方も多いと思います。安全資産として金が買われる動きや、世界的なインフレ懸念などが背景にあります。

製品の原価が上がっているわけですから、当然、販売価格(や市場価格)も上昇圧力がかかります。(出典:田中貴金属工業株式会社「金価格推移」

2. ブランド価値の維持(意図的な希少性)

エルメスは、そのブランド価値を最高水準で維持するために、意図的に供給をコントロールしていると言われています。大量生産を行わず、熟練した職人の手作業に依存する製造スタイルは、製品に「極めて高い希少性」を与えます。

「欲しくても手に入らない」という状況が、かえって需要を刺激し、ブランドのステータス性を担保しているわけです。この戦略が、二次市場の価格を押し上げる最大の要因かもしれません。

3. 為替変動(円安)の影響

先にも述べましたが、エルメスは輸入品です。そのため、円安が進行すると、日本円換算での仕入れコスト(や将来的な定価改定での上昇幅)が大きくなります。

「今後、円安がもっと進めば、さらに価格が上がるかもしれない」という市場心理が働くと、「今のうちに買っておこう」という需要が生まれ、二次市場の価格もそれに連動して上昇しやすくなります。

「資産」としての側面

これらの要因が組み合わさることで、シェーヌダンクルのゴールドモデルは、単なるアクセサリー(消費財)ではなく、「資産」としての側面を強く持つようになっています。

「エルメスの資産価値は、バッグだけでなく、ジュエリーにも見出すことができる」という分析もある通り、定価(がもしあったとしても)以上で売買されることが常態化しているんですね。買う側も、単なる消費者としてだけでなく、そのアイテムが持つ将来的なリセールバリュー(資産価値)を意識していると言えます。

価格・資産価値に関するご注意

本記事で紹介した二次市場の価格は、あくまで調査時点での一例です。将来的な価値やリセールバリューを保証するものではありません。

また、これらのアイテムは非常に高額です。購入を検討される際は、信頼できる販売店を選び、ご自身の判断で慎重に行ってください。資産価値や投資目的での購入については、ファイナンシャル・プランナーや税理士などの専門家にご相談されることを強くお勧めします。

PMやTPMの市場価格

ここまではMMやGMが中心でしたが、より華奢なPM(ピーエム)やTPM(ティーピーエム)も非常に人気があります。

先に挙げた例のように、TPMの未使用品ブレスレットが約260万円前後で取引されていることからも、サイズが小さくても希少価値は変わらず、非常に高額であることが分かります。

特にTPMはコマが最も小さく(約1.2cm)、ブレスレットとしてだけでなく、2重に巻いてアンクレットのように使ったり、コマ数を増やしてネックレスとして流通したりもします。その繊細さが、MMやGMとは異なる魅力を持ち、多くの女性から支持されています。

人気のサイズ(コマ)比較

上質な黒いセーターを着た日本人女性の手首に、華奢なK18イエローゴールドのシェーヌダンクル(TPMまたはPMサイズ)が装着されている上品なイメージ画像。

価格と並んで重要なのがサイズ感ですね。自分に合わないサイズを選んでしまうと、せっかくの魅力も半減してしまいます。シェーヌダンクルは主に5つのコマサイズがあります。(PPMというさらに小さいものもありますが、市場では稀です)

コマサイズの特徴(目安)

  • TPM (約1.2cm): 最も小さいサイズ。華奢なブレスレットやネックレスに。
  • PM (約1.4cm): 女性や手首の細い男性に人気。上品な印象。
  • MM (約1.7cm): 男女ともに人気の中間サイズ。バランスが良い。
  • GM (約2.1cm): 男性の定番サイズ。しっかりとした存在感。
  • TGM (約2.4cm): 最も大きく重厚感があるサイズ。かなりの存在感。

ゴールドモデルの「重さ」という価値

物理的な「重さ」もゴールドモデルの価値を左右する重要な要素です。

金と銀は、物理的な密度(比重)が異なります。K18ゴールド(合金ですが比重約15~16)は、シルバー925(比重約10.5)よりもかなり重いんです。同じ体積(同じコマサイズ・コマ数)で作った場合、K18ゴールドモデルは、シルバーモデルの約1.6倍~1.7倍の重量になると推定されます。

例えば、シルバーGM(13コマ)が約67gだとすると、ゴールドGM(13コマ)は推定で約107g~114g。シルバーモデルのずっしり感も魅力ですが、ゴールドモデルはそれを遥かに超える重厚感を手首で感じられるわけです。

このずっしりとした物理的な「重さ」こそが、貴金属としての純粋な素材価値を直感させ、数百万円という価格設定の物理的な裏付けの一つになっているんですね。

シェーヌダンクル ゴールド定価の総括

最後に、「シェーヌダンクル ゴールド 定価」について、ここまでの情報をまとめてみます。

結局のところ、私たちが知りたかった「定価」は、簡単には分からないということが分かりました。しかし、なぜ分からないのか、そして「本当の価値」はどこにあるのかが見えてきたかなと思います。

【結論】私たちが知るべき「定価」とは

  1. K18ゴールド製ブレスレットの「公式定価」は、一般公開されていない。(ファインジュエリー扱いで、「時価(Price on Request)」のため)
  2. 価格水準を知る基準として、シルバーモデルの最新定価(GMで約28万円)や、一部のゴールド製リング(数十万~百万円超)が参考になる。
  3. 私たちが本当に知りたい「今すぐ手に入る価格」は、二次流通市場の「実勢価格(プレミア価格)」であり、未使用品では数百万円(例:MMで500万円超)に達する。
  4. この価格は、単なる素材価値やデザイン価値だけでなく、エルメスが意図的に作り出す「極端な希少性」と「ブランド価値」、そして「資産価値」が反映された結果である。

エルメスのシェーヌダンクル ゴールドは、もはや「定価で買う」という概念を超えた、特別なアイテムだということがよく分かりました。

もちろん、正規店で顧客として素晴らしい関係性を築き、運良く出会える可能性もゼロではありません。しかし、現実的な選択肢としては、信頼できる二次流通市場で「実勢価格」を把握し、その価値に納得した上で購入を検討するのが第一歩となりそうです。

この記事の情報が、皆さんの疑問を解消する一助となれば幸いです。ただし、価格は常に変動していますので、最新の正確な情報については、エルメスブティックや、信頼できる実績豊富な専門店で必ずご自身の目でご確認くださいね。

参考