新政酒造No.6の日本酒を定価で!購入方法と種類・特徴を完全解説

  • 2025年9月5日
  • 2025年9月5日
  • お酒

秋田が誇る銘酒、新政酒造のナンバー6シリーズ。その人気は絶大で、定価での購入は「幻」とまで言われるほど非常に困難な状況です。この記事では、「ナンバー6という日本酒はどこのお酒ですか?」という基本的な疑問から、「新政のナンバー6はいつ買えますか?」といった具体的な購入のタイミング、さらには通販や全国の正規販売店、そして蔵元のある秋田市での探し方に至るまで、あらゆる角度から徹底的に解説します。最後の望みともいえる抽選販売の情報はもちろん、特に人気の高い新政 no.6 x-typeの定価や、個性的な味わいでファンを魅了する新政 陽乃鳥の定価を含む、主要な新政の定価一覧も網羅。この記事を読めば、新政酒造のナンバー6という日本酒を、適正な定価で手に入れるために必要な知識のすべてが手に入ります。

記事のポイント

  1. 新政酒造とNo.6シリーズの歴史や特徴に関する深い知識
  2. No.6を定価で購入するための現実的かつ具体的な方法
  3. No.6やその他人気銘柄(Colors, PRIVATE LAB)のラインナップと正確な定価
  4. なぜプレミア価格が付くのか、その理由と転売品購入のリスク

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新政酒造ナンバー6の日本酒と定価での入手方法

新政酒造No.6の日本酒を定価で!購入方法と種類・特徴を完全解説
  • ナンバー6という日本酒はどこのお酒ですか?
  • 新政のナンバー6はいつ買えますか?
  • 販売店 秋田市での購入方法
  • 通販や全国の正規販売店での探し方
  • 入手困難なため抽選に参加する

ナンバー6という日本酒はどこのお酒ですか?

新政(あらまさ)の「No.6(ナンバーシックス)」は、秋田県秋田市大町に蔵を構える「新政酒造」が醸造する、唯一の定番生酒シリーズです。その名は、日本酒の世界に革命をもたらした「きょうかい6号酵母」に由来し、この酵母の魅力を現代に伝えるという使命を帯びています。

新政酒造の創業は1852年(嘉永五年)、幕末の動乱期にさかのぼります。初代・佐藤卯兵衛が創業し、蔵名は明治政府が掲げたスローガン「新政厚徳(しんせいこうとく)」に共感して名付けられました。その歴史の中でも特筆すべきは、1930年(昭和5年)にこの蔵で発見された「きょうかい6号酵母」の存在です。現在、日本醸造協会が頒布する酵母の中で現存する最古のものであり、新政酒造はその”発祥の蔵”として、日本酒業界で特別な地位を確立しています。

大きな転換期が訪れたのは、2007年に現在の8代目当主である佐藤祐輔氏が蔵に戻ってからです。ジャーナリスト出身という異色の経歴を持つ彼は、伝統を重んじながらも大胆な改革を断行しました。その哲学は「秋田の米と水と、人の手だけで、旨い酒を造る」という純粋なもの。具体的な改革は以下の通りです。

  • 全量純米酒化:醸造アルコールを添加する本醸造や普通酒の製造を完全に廃止。米と米麹、水のみで造る純米酒に特化しました。
  • 生酛(きもと)造りへの回帰:時間と手間がかかるため多くの蔵が採用しない伝統製法「生酛造り」を復活。自然の乳酸菌の力を借りて、複雑で奥深い味わいを引き出しています。
  • 秋田県産米へのこだわり:酒米はすべて秋田県産を使用。単に地元の米を使うだけでなく、契約農家と共に無農薬・無化学肥料での栽培にも取り組み、テロワール(土地の個性)を最大限に表現することを目指しています。

これらの改革によって生み出された「No.6」は、伝統的な6号酵母の穏やかで澄んだ香味と、生酛造り由来のしっかりとした酸味、そして現代的な醸造技術によるフレッシュさが融合した、唯一無二の味わいを実現。国内外のコンクールで高い評価を獲得し、世界中の日本酒ファンを熱狂させる、入手困難なプレミアム日本酒の代名詞となったのです。

きょうかい6号酵母とは?

1930年に新政酒造の醪(もろみ)から分離され、1935年に日本醸造協会によって「きょうかい酵母6号」として全国の酒蔵へ頒布が開始された酵母です。低温環境でも力強く発酵を進める能力を持ち、吟醸造りがまだ確立されていなかった時代に、東北地方の酒質を飛躍的に向上させました。香りはバナナやメロンを思わせる穏やかな吟醸香で、派手さはないものの、米の旨みを素直に引き出し、綺麗で澄んだ酒質を生み出すのが特徴です。新政酒造はこの自らの蔵で生まれた酵母に敬意を払い、すべての酒造りに6号酵母のみを使用しています。(出典:公益財団法人日本醸造協会「きょうかい酵母」)

新政のナンバー6はいつ買えますか?

新政No.6シリーズは、特定の季節にのみ出荷される限定品(例:しぼりたて、ひやおろし)とは一線を画し、一年を通して供給される「通年販売」の定番生酒として位置づけられています。この事実は、理論上はいつであっても購入のチャンスがあることを意味します。

しかし、多くの日本酒ファンが実感している通り、現実は極めて厳しいものです。新政酒造は大量生産とは真逆の、品質を最優先する酒造りを信条としています。伝統的な生酛造りは、近代的な速醸酛(そくじょうもと)に比べて倍以上の時間がかかり、生産量は自ずと限られます。さらに、No.6は火入れ(加熱殺菌)を一切行わない「生酒」であるため、マイナス5度以下という厳格な温度管理が必須です。このため、蔵元が信頼できると判断した「正規特約店」にしか出荷されず、市場に出回る本数そのものが極端に少ないのです。

結果として、特約店の店頭に商品が並ぶことは滅多になく、「いつ行けば必ず買える」という保証は一切ありません。購入の機会は、予測困難なタイミングで突如として訪れます。

  • 特約店のゲリラ的な入荷:入荷日や時間は基本的に非公開です。SNSなどで告知されることも稀で、常連客ですら入荷を予測するのは難しいとされています。
  • 各種抽選販売:後述するオンライン抽選や、店頭での抽選が不定期に実施されます。これが新規ファンにとって最も公平なチャンスと言えるかもしれません。
  • 6月6日「新政の日」の特別リリース:6号酵母にちなみ、毎年6月6日は「新政の日」とされ、この日に合わせて「No.6 A-type(亜麻猫-type)」や、著名クリエイターとのコラボレーションボトルといった、特別なスピンオフモデルが数量限定でリリースされることがあります。この日は特に注目度が高まります。

結論として、No.6は通年商品でありながら、その希少性ゆえに購入できるタイミングは「不定期かつ限定的」であり、幸運と情報収集、そして根気が必要不可欠というのが、揺るぎない実情です。

販売店 秋田市での購入方法

「蔵元のある秋田市に行けば、さすがに手に入りやすいだろう」と考えるのは自然なことですが、残念ながらその期待は裏切られる可能性が非常に高いです。まず最も重要な点として、新政酒造では蔵元での直売所を設けておらず、一般消費者への直接販売は一切行っていません。これは、デリケートな生酒の品質を完璧に管理するため、そして長年にわたって信頼関係を築いてきた全国の正規特約店とのパートナーシップを重視しているためです。

したがって、秋田市で購入を試みる場合も、他の地域と同様に正規特約店へ足を運ぶことになります。秋田市内の代表的な特約店としては「株式会社菅久商店」や「高良酒屋」(美郷町)などが有名ですが、地元の店舗であっても入手難易度は全国の特約店と何ら変わりません。

むしろ、地元であるがゆえに、長年の付き合いがある飲食店や熱心な常連客への割り当てが優先される傾向が強いとも言われています。人気銘柄であるNo.6は、入荷しても店頭に陳列される前に予約分や常連客向けに確保され、一般の客が購入できる分はほとんど残らないのが実情です。多くの特約店では、以下のような独自の販売ルールを設けている場合があります。

  • 常連客への優先販売:日頃から他の日本酒を購入し、店主と良好な関係を築いている顧客に優先的に声がかかるケース。
  • ポイントカード制:購入金額に応じたポイントを貯めた顧客のみが、購入権を得られる、あるいは抽選に参加できるシステム。
  • 抱き合わせ販売:他の特定の商品とセットでのみ販売する方式。(ただし、新政酒造はこうした販売方法を推奨していません)

観光でふらりと立ち寄って偶然購入できる確率は、限りなくゼロに近いと言わざるを得ません。もし本気で秋田市での購入を目指すのであれば、特定の特約店に何度も通い、新政以外の素晴らしい秋田の地酒を楽しみながら、お店との信頼関係を時間をかけて築いていくという、長期的な視点が必要になるでしょう。

まずは正規特約店を知ることから

自分の住む地域の近くに正規特約店があるかどうかを知るには、新政酒造に直接電話で問い合わせるのが最も確実な方法です。公式サイトには転売防止の観点から特約店の一覧は掲載されていませんが、電話口で尋ねれば、最寄りの店舗を丁寧に教えてもらうことができます。定価購入への道は、まず正規の販売ルートを正確に把握することから始まります。
(参照:新政酒造株式会社 会社概要)

通販や全国の正規販売店での探し方

新政No.6を適正な定価で購入するための王道は、全国に点在する正規特約店から直接購入することです。しかし、これまで述べてきたように、単に店舗へ行くだけで手に入るほど甘くはありません。ここでは、通販を含めた全国の正規販売店での、より現実的な探し方について深掘りします。

正規特約店のオンラインショップを徹底マークする

現代において、最も効率的なアプローチの一つが、特約店が独自に運営するオンラインショップを活用することです。多くの特約店がECサイトを持っており、そこで新政の販売が行われることがあります。ただし、ここでも熾烈な争奪戦が繰り広げられます。通常の「買い物かご(カート)」に入れて購入できる形式は、サーバーダウンを招くリスクもあるため、現在ではほとんど採用されていません。代わりに、以下のような販売方法が主流となっています。

  • メルマガ会員限定の案内:最も多いのがこの形式です。「たけくま酒店」や「矢島酒店」といった有名特約店のサイトでは、「入荷数量が少ないため、当店でお買い物いただいているお客様に優先してご案内しております」と明記されています。まずはその店の会員登録(特にメルマガ登録)を済ませ、過去に何らかの購入履歴を作っておくことが、案内を受け取るための第一歩となります。
  • オンライン抽選販売:後述する抽選販売をオンラインで実施する店舗です。告知はサイト上やSNSで行われるため、日々のチェックが欠かせません。
  • 他の日本酒とのセット販売(抱き合わせ):新政酒造が推奨しない方法ではありますが、一部の店舗では「店主おすすめの日本酒〇本と新政No.6のセット」といった形で販売されることがあります。これは、転売目的の購入者を避け、本当にその店のファンである顧客に届けたいという店側の意図の表れでもあります。

信頼できる全国の正規販売店(一部抜粋)

以下に、新政の正規特約店として知られ、オンラインでの活動も比較的活発な店舗の一部をリストアップします。これらの店舗のウェブサイトやSNSを定期的に巡回し、販売方法の傾向を把握することが重要です。リストはあくまで一例であり、これ以外にも素晴らしい特約店は全国に多数存在します。

地域店名所在地特徴
北海道桜本商店札幌市中央区オンラインでの情報発信に積極的。
千葉県IMADEYA(いまでや)千葉市中央区オンラインストアの品揃えが豊富。抽選販売も実施。
東京都はせがわ酒店千代田区都内屈指の有名店。オンラインでの抽選販売あり。
東京都味ノマチダヤ中野区独自のセレクションに定評。メルマガは必読。
神奈川県横浜君嶋屋横浜市南区ワインにも強い老舗。オンラインでの告知に注目。
愛知県酒泉洞堀一名古屋市西区東海地方を代表する名店。
大阪府山中酒の店大阪市浪速区関西の日本酒ファンからの信頼が厚い。
福岡県住吉酒販福岡市博多区九州を代表する特約店。独自のイベントも多数。

Amazonや楽天での購入は「定価」ではない!品質リスクも

Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングなどの大手ECモールで「新政 No.6」と検索すると、多数の商品がヒットします。しかし、これらは正規特約店ではない業者が販売する「転売品」であり、表示されている価格は定価ではありません。定価の3倍から5倍、希少なモデルであれば10倍近いプレミア価格が付けられています。さらに深刻なのが品質管理の問題です。No.6はデリケートな生酒であり、製造から消費者の手に渡るまで一貫してマイナス5度以下での冷蔵管理が絶対条件です。転売業者がこの条件を遵守している保証はどこにもなく、劣悪な環境で保管・輸送された結果、本来の味わいが損なわれている可能性も否定できません。蔵元の意向にも反する転売品の購入は、金銭的な損失だけでなく、残念な飲用体験につながるリスクもはらんでいることを強く認識すべきです。

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入手困難なため抽選に参加する

これまでの方法を試みてもなお、定価での購入に至らない場合、新規のファンにとって最も現実的かつ公平な入手ルートとなるのが「抽選販売」への参加です。コネクションや購入履歴がなくても、純粋に運が良ければ誰もが定価で購入する権利を得られる、まさに最後の砦とも言える方法です。

抽選販売は、大きく分けて2つの主体によって実施されます。

  1. 正規特約店が独自に実施する抽選
    各特約店が、自社の顧客サービスの一環として不定期に行います。告知方法は店舗によって様々です。
    店頭での告知・応募:店舗に直接足を運べる人向け。応募用紙に記入する形式が多いです。近隣に住んでいる方が有利になります。
    オンラインサイトでの告知・応募:近年最も増えている形式です。特設の応募フォームから申し込みます。全国どこからでも参加できますが、その分競争率も高くなります。
    SNS(XやInstagram)での告知:店舗の公式SNSアカウントで突如として抽選が告知されることもあります。フォローしておくだけでなく、通知をオンにしておくといった対策が有効です。 これらの抽選は、日頃からそのお店の情報を追いかけている熱心なファンに向けたものであることが多く、情報感度が当落を分ける重要な要素となります。
  2. 日本酒専門ECサイトやプラットフォームでの抽選
    「Sakenomy」や「UTAGE」といった、複数の酒蔵や酒販店が参加する大規模な日本酒専門プラットフォームでも、プロモーションの一環として新政の抽選販売が行われることがあります。これらの抽選は、より多くの日本酒ファンに門戸を開いているため、誰でも気軽に参加できるのがメリットです。しかし、その手軽さゆえに応募が殺到し、当選倍率は数十倍から、時には100倍を超えることも珍しくありません。情報によると、ある販売サイトでの応募総数は平均で400人を超え、当選確率は極めて低い狭き門となっています。それでも、根気強く応募し続けることで、幸運が舞い込む可能性はゼロではありません。

転売は絶対にNG!新政酒造の厳しい姿勢

新政酒造は、自社の製品が不当な高値で転売されることに対して、極めて厳しい姿勢で臨んでいます。公式サイトでも注意喚起がなされており、転売目的での購入は固く禁じられています。過去には、抽選販売した商品がフリマサイトで高額転売されたことが発覚し、蔵元から警告を受けた店舗も存在します。当選したお酒を転売する行為は、蔵元の理念や情熱を踏みにじるだけでなく、今後の抽選資格を失うことにも繋がりかねません。抽選に参加する際は、純粋に自分でその味わいを楽しむことを目的とし、ルールとマナーを必ず守りましょう。

新政酒造ナンバー6の日本酒、定価とラインナップ

新政酒造ナンバー6の日本酒、定価とラインナップ
  • 主要銘柄の新政の定価一覧
  • 新政「no.6 x-type」の定価はいくら?
  • 人気のPRIVATE LABシリーズの定価
  • 新政「陽乃鳥」の定価と特徴
  • 個性的な亜麻猫や涅槃龜の定価

主要銘柄の新政の定価一覧

新政酒造の日本酒は、そのコンセプトに応じて大きく3つの個性的なシリーズで展開されています。入手困難な状況ではありますが、本来の適正価格である「定価」を知っておくことは、不当なプレミア価格に惑わされないためにも非常に重要です。ここでは、主要シリーズの代表的な銘柄と、公式サイト等で公表されている参考小売価格(定価)を、それぞれの特徴とともに詳しくご紹介します。価格はすべて720mlボトルの税込価格です。

シリーズ銘柄名参考小売価格(税込)コンセプトと味わいの特徴
No.6
(ナンバーシックス)
【生酒】
No.6 R-type (Regular)¥1,980シリーズの定番エントリーモデル。「Regular」の名を冠し、生酛造り由来のしっかりとした旨みと生酒らしいフレッシュなガス感を気軽に楽しめる一本。
No.6 S-type (Superior)¥2,480シリーズの代表作でありミッドモデル。「Superior」として、ふくよかな甘みと軽快な酸味、そして後半のキレの良さという好対照な魅力を兼ね備える。
No.6 X-type (eXcellent)¥3,280シリーズの最上級フラッグシップモデル。「eXcellent」を意味し、高度に磨きこまれた米を使用。格調高い味わいと6号酵母の清楚な存在感を最も鮮やかに表現。
Colors
(カラーズ)
【火入れ】
Ecru(エクリュ)-生成-¥1,890秋田の代表的な酒米「酒こまち」を使用。Colorsのエントリーモデルであり、やわらかく清らかな口当たりと、穏やかな吟醸香が特徴。
Cosmos(コスモス)-秋櫻-¥2,280秋田初の酒造好適米「改良信交」を使用。しっかりとした甘みとそれを支える酸のバランスが良く、メリハリのある伸びやかな味わいが楽しめる。
Viridian(ヴィリジアン)-天鵞絨-¥2,980高級酒米「美郷錦」を使用。Colorsのフラッグシップ。フルーティーな香りと、なめらかさの中にコクと厚みのある複雑な旨みを持つ。
PRIVATE LAB
(プライベートラボ)
【実験醸造】
亜麻猫(あまねこ)¥1,980焼酎用の「白麹」を併用し、日本酒離れしたシャープな酸味を実現した個性派。甘酸っぱく爽やかな味わいで、熱狂的なファンを持つ。
陽乃鳥(ひのとり)¥2,480水の代わりに酒で仕込む「貴醸酒」。ミズナラ樽熟成の酒も使用し、濃厚でリッチな甘みと複雑な香りが楽しめるデザート酒。
涅槃龜(にるがめ)¥1,980精米歩合90%前後という低精白米で醸す意欲作。米本来の力強い旨みと、吟醸造りの技術によるエレガントさを両立させている。

※価格に関するご注意
上記はあくまで公式サイトや正規特約店で提示されている「参考小売価格」です。製造年度のスペックや販売店の方針により、若干の価格差が生じる場合があります。繰り返しになりますが、オンラインの転売市場では、これらの定価とはかけ離れた高額で取引されているため、購入の際は十分にご注意ください。

新政「no.6 x-type」の定価はいくら?

新政No.6シリーズのラインナップにおいて、疑いようのない最高峰に君臨するのが「No.6 X-type(エックスタイプ)」です。多くの日本酒ファンが一度は口にしてみたいと憧れる、まさにフラッグシップと呼ぶにふさわしい一本です。

その名前にある「X」は、”eXcellent”(豪華版、素晴らしい)を意味しており、その名の通り、シリーズの中で最も贅沢な造りが施されています。原料となる米は、秋田県産の高品質な酒米の中からさらに厳選され、R-typeやS-typeよりも高度に磨き上げられます(麹米35%、掛米45%)。この丁寧な米の処理により、雑味のないクリアで洗練された酒質が生まれます。仕込みには、伝統的な木桶が用いられることもあり、これが独特の複雑さと深みを与えています。その目的は、6号酵母が誕生した90年以上前の槽口(ふなくち・搾りたての酒が出てくる場所)で味わったであろう、フレッシュで生命力あふれる味わいを現代に蘇らせることにあるとされています。

さて、最も気になるその定価ですが、公式サイトで公表されている新政 No.6 X-typeの参考小売価格は、720mlボトルで3,280円(税込)です。一部の特約店では、仕入れのロットや販売方針により3,850円(税込)で販売されているケースも見られますが、概ねこの価格帯が正規の値段となります。

味わいは、洋梨やライチを思わせる上品で華やかな香りが立ち上り、口に含むと透明感のある甘みと、柑橘類を彷彿とさせる瑞々しい酸味が見事に調和します。フィニッシュは驚くほど綺麗で、すっと消えていくようなキレの良さも持ち合わせています。そのエレガントな佇まいは、高級な白ワイン、特にソーヴィニヨン・ブランなどに例えられることも少なくありません。この唯一無二のクオリティと、極端に少ない生産量、そして圧倒的な人気が相まって、No.6シリーズの中でも特に入手は困難を極めます。

この定価3,000円台のボトルが、二次流通市場、つまり通販サイトやフリマアプリでは、平気で20,000円から30,000円を超えるような異常なプレミア価格で取引されているのが、その人気と希少性を如実に物語っています。定価を知ることは、こうした市場の価格がいかに本来の価値からかけ離れているかを理解する上で、極めて重要です。


人気のPRIVATE LABシリーズの定価

新政酒造のラインナップの中で、最も革新的で蔵元の遊び心が感じられるのが「PRIVATE LAB(プライベートラボ)」シリーズです。その名の通り、ここは新政酒造の”実験室”であり、日本酒の伝統的な製法の枠組みにとらわれることなく、新しい味わいや未来のスタンダードとなりうる可能性を追求する場となっています。

このシリーズの魅力は、単に奇をてらった製品を造るのではなく、すべての挑戦が「日本酒が将来達成すべき新しい味わいの創造」や「日本酒業界が抱える課題の解決」といった、明確な目的意識に基づいている点です。デザインは、中国の神話に登場し、世界の四方を守護するとされる霊獣「四神(青龍、白虎、朱雀、玄武)」をモチーフにしており、そのスタイリッシュなボトルデザインもコレクター心をくすぐる要素の一つです。

生産数が極めて少なく、No.6シリーズ以上に入手が難しいとされるPRIVATE LABシリーズですが、その定価は意外にも良心的に設定されています。主要な銘柄の定価(参考小売価格)は以下の通りです。

  • 亜麻猫(あまねこ) / 白麹仕込純米酒:定価 1,980円(税込)
  • 陽乃鳥(ひのとり) / 貴醸酒:定価 2,480円(税込)
  • 涅槃龜(にるがめ) / 低精白純米酒:定価 1,980円(税込)
  • 天蛙(あまがえる) / 低酒精発泡純米酒:定価 2,480円(税込)

これらの価格は、それぞれが持つ独創的な製法やコンセプトを考えると、非常に価値ある設定と言えるでしょう。No.6シリーズと同様に、これらの銘柄もオンラインの転売市場では定価を大幅に上回る価格で取引されていますが、その個性的な味わいは多くの熱狂的なファンを生み出し、新政酒造の探究心の象徴として高く評価されています。

PRIVATE LABシリーズのもう一つの顔「天蛙(あまがえる)」

PRIVATE LABシリーズの中でも特に取り扱いが難しく、”究極のマニア酒”と称されるのが「天蛙」です。アルコール度数を9度以下に抑えた、薄にごりの低アルコール発泡性清酒で、瓶内で酵母が生きている「瓶内二次発酵」のお酒です。そのため、温度管理を誤ると瓶の内圧が異常に高まり、開栓時に中身が噴き出したり、最悪の場合は瓶が破損したりする危険性があります。蔵元からもマイナス5度以下での厳重な保管が求められており、購入後の管理にも細心の注意が必要です。その味わいは、カルピスのような甘酸っぱさと爽快な炭酸ガスが特徴で、唯一無二の体験ができますが、ビギナーには決してお勧めできない上級者向けの逸品です。

新政「陽乃鳥」の定価と特徴

PRIVATE LABシリーズの中でも、その甘美な味わいで特に高い人気を誇るのが「陽乃鳥(ひのとり)」です。このお酒は、「貴醸酒(きじょうしゅ)」という、古くから伝わる非常に贅沢な製法で造られた特別な日本酒です。

通常の日本酒が「米・米麹・水」を原料として三段階に分けて仕込む(三段仕込み)のに対し、貴醸酒は、最終段階である三段目の仕込みにおいて、水の代わりに「日本酒」を使って仕込みます。つまり、”日本酒で日本酒を仕込む”という、他に類を見ない製法です。これにより、醪(もろみ)の中のアルコール度数が初期段階から高くなるため、酵母のアルコール発酵が穏やかになります。結果として、米の糖分が分解されずに多く残り、とろりとした濃密な甘みと、複雑でリッチな味わいが生まれるのです。この、酒が酒によって生まれ変わる様を、伝説の鳥「フェニックス(火の鳥)」になぞらえ、「陽乃鳥」と名付けられました。

「陽乃鳥」の定価(参考小売価格)は720mlボトルで2,480円(税込)です。

新政の陽乃鳥が他の貴醸酒と一線を画すのは、その独創的な工夫にあります。仕込みに使う日本酒の一部は、あらかじめ国産のミズナラで造られた樽で1年間追熟させています。この樽熟成によって、ウイスキーなどにも見られるバニラやココナッツのような甘く芳しい香りが日本酒に移り、元々の濃厚な甘さをより一層、華やかで立体的なものに昇華させています。味わいは、完熟したメロンや蜂蜜、マンゴーを思わせるトロピカルで濃密な甘みが口いっぱいに広がりますが、生酛造り由来のしっかりとした酸味が全体を引き締めているため、決してくどくならず、上品な余韻を残します。

そのユニークな味わいから、食前酒として少量楽しむのはもちろん、特に食後のデザート酒として、またはブルーチーズやフォアグラ、ドライフルーツといった濃厚な味わいの食材と合わせることで、その真価を最大限に発揮します。まさに、特別な時間を彩るための、珠玉の一本と言えるでしょう。

貴醸酒(きじょうしゅ)の歴史

「貴醸酒」という名称と製法は、1973年(昭和48年)に国税庁醸造試験所(現在の酒類総合研究所)によって確立されました。しかし、その原型は平安時代の文献『延喜式』にも記されている「しおり」という宮中行事用の酒にまで遡ると言われています。これは、仕込み水の代わりに酒を用いるという点で貴醸酒と共通しており、非常に歴史のある製法であることがわかります。新政酒造は、この伝統的な製法を現代的な感性で再構築し、「陽乃鳥」という新たな価値を創造したのです。

個性的な亜麻猫や涅槃龜の定価

PRIVATE LABシリーズは、「陽乃鳥」のような華やかな銘柄だけでなく、日本酒の既成概念を覆すような、挑戦的で個性あふれる銘柄を揃えているのが大きな魅力です。その中でも、シリーズの方向性を象徴する二つのユニークな作品が「亜麻猫」と「涅槃龜」です。

亜麻猫(あまねこ)

「亜麻猫」は、新政のラインナップの中で最も個性的で、熱狂的なファンを持つ一本と言っても過言ではありません。その最大の特徴は、麹(こうじ)の使い方にあります。通常の日本酒造りでは、デンプンを糖に変える役割を持つ「黄麹」が使われますが、「亜麻猫」ではこの黄麹に加え、主に焼酎造りで使用される「白麹」を併用しています。白麹は、発酵過程でリンゴや柑橘類に含まれる「クエン酸」を大量に生成する特性を持っています。このため、「亜麻猫」は、一般的な日本酒とは全く異なる、シャープでキリリとした、まるで白ワインのような鮮烈な酸味を獲得しました。

しかし、単に酸っぱいだけの酒ではありません。そのシャープな酸味の奥には、新政ならではの米の柔らかな甘みや旨みがしっかりと存在し、両者が絶妙なバランスを保っています。甘酸っぱく爽やかな味わいは、洋食、特に魚介のカルパッチョやハーブを使った料理、さらにはエスニック料理とも驚くほどの相性を見せます。まさに、日本酒のペアリングの可能性を大きく広げた一本と言えるでしょう。「亜麻猫」の定価(参考小売価格)は720mlボトルで1,980円(税込)と、その革新性を考えれば非常にリーズナブルな設定です。

涅槃龜(にるがめ)

「涅槃龜」は、現代の吟醸酒造りの常識とは真逆の発想から生まれた意欲作です。大吟醸酒などが米の雑味を取り除くために米を半分以上も磨き上げる(精米歩合50%以下)のに対し、「涅槃龜」の精米歩合は88%〜92%。これは、私たちが普段食べている食用米とほとんど変わらないレベルで、”米をほとんど磨かない”ということを意味します。これは、かつて米を磨く技術が未熟だった江戸時代の酒造りのエッセンスを現代に蘇らせようという試みです。

通常、これだけ米を磨かないで酒を造ると、米の外層部に多く含まれるタンパク質や脂質が雑味や重さの原因となり、洗練された味わいを出すのは至難の業とされています。しかし、新政酒造は、自らが持つ最先端の吟醸造りの技術(低温長期発酵など)を、この低精白の米の仕込みに惜しみなく注ぎ込みました。その結果、米本来の野性的で力強い旨みや複雑な味わいを持ちながらも、同時に現代的な吟醸酒のようなエレガントさやクリアな後味を両立させるという、驚くべき酒質を実現しました。米のポテンシャルを極限まで引き出したこのお酒は、まさに新政の技術力の高さを証明する一本です。「涅槃龜」の定価(参考小売価格)も720mlボトルで1,980円(税込)です。

新政酒造ナンバー6の日本酒を定価で買う総括

この記事では、入手困難を極める新政酒造No.6シリーズを定価で購入するための方法から、その多彩なラインナップとそれぞれの定価、そして背景にある蔵元の哲学まで、多角的に詳しく解説してきました。最後に、この記事の最も重要なポイントを箇条書きでまとめます。

  • 新政は秋田県秋田市に蔵を構える新政酒造が醸す日本酒で、特にNo.6シリーズが絶大な人気を誇る
  • No.6は「きょうかい6号酵母」発祥の蔵として、その魅力をダイレクトに伝える唯一の定番生酒シリーズである
  • ラインナップはエントリーモデルの「R-type」、代表作の「S-type」、最高峰の「X-type」の3種類で構成される
  • 蔵元での直接販売は一切なく、定価での購入は全国に点在する正規特約店に限られる
  • 正規特約店の場所は、新政酒造に直接電話で問い合わせることで確認することが可能である
  • 特約店でも店頭に並ぶことは極めて稀で、常連客への優先販売や独自のルールが設けられていることが多い
  • 通販サイトのAmazonや楽天で販売されているものは、定価の数倍の価格が付いた転売品であり品質保証もない
  • 新規ファンが定価で手に入れる最も現実的な方法は、特約店や専門サイトが実施する「抽選販売」への参加である
  • No.6 X-typeの定価は3,280円(税込)だが、二次流通市場では20,000円を超える価格で取引されるのが現状
  • 酒米の違いで個性を表現する「Colors」シリーズや、実験的な醸造を行う「PRIVATE LAB」シリーズも存在する
  • PRIVATE LABの「陽乃鳥」は日本酒で仕込む貴醸酒で、定価は2,480円(税込)とされている
  • 「亜麻猫」は白麹由来の酸味、「涅槃龜」は低精米の力強い旨みが特徴で、共に定価は1,980円(税込)である
  • No.6は通年販売の生酒だが、品質を重視した少量生産のため、市場では常に極度の品薄状態が続いている
  • 購入できた際は、デリケートな生酒のため必ず冷蔵庫で保管し、開封後は早めに飲み切ることが強く推奨される
  • 新政酒造ナンバー6の日本酒を定価で探すには、正確な情報収集と、幸運を待つ根気強さが必要不可欠である

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参考